安定な炭素–フッ素結合を切りながら短寿命核種炭素-11を導入する

11C-Cyanation of Aryl Fluorides via Nickel and Lithium Chloride-Mediated C−F Bond Activation
Angew. Chem. Int. Ed. 202362, e202302956. doi: 10.1002/anie.202302956.

寿命の短い炭素-11(半減期:約20.4分)を含むシアノ基を導入する新たな反応を開発しました。この手法では、化学的に安定で比較的合成しやすい芳香族フッ化物を前駆体として用います。この炭素–フッ素結合は非常に強固ではありますが、低原子価ニッケル錯体を作用させ、反応性に富んだアリールニッケル錯体へと変換することで、迅速な[11C]シアノ化が実現されました。本研究の途中で、炭素–フッ素結合の切断が加熱することなく起こることに驚き、計算化学を用いた詳細な検証も行いました。

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