台湾に出張してきました

6月下旬に台湾に出張してきました。主な目的はChung Yuan Christian University(CYCU, 中原大学)での招待講演です。ポスドク@ハーバード大の時にTobias Ritter Lab.の同僚だったGary(中央写真)に呼んで頂きました。昨年のIKCOCの時に声をかけてもらっていて、少し経って実現したというところです。台湾は福岡からだと飛行機で2時間ちょうどくらいで、東京に行くのとそこまで大差を感じない近さですね。最高気温が35 °Cくらい、湿気は強烈で、まあかなり暑かったです。個人的には新しく知ったことがたくさんあった訪問でしたが、特に真面目な内容の中で印象的だったことをここに記録しておきます。

講演会に先立ち、台湾のNational Health Research Institute (NHRI) の見学をさせてもらいました(左二枚の写真)。国立衛生研究所とでも呼ぶべきこの研究所では、医薬品の開発にまるで企業のように取り組んでいるところです。Garyに紹介してもらったKelvinの案内で、主にmedicinal chemistryのエリアを見学させてもらいましたが、とても広く多様な設備が整っていて、さらに多数の研究者が在籍しているというところに、深く感銘を受けました。実施したいことは一通りできるようになっており、研究成果に言い訳できない環境「no excuse」が構築されています。安全に配慮しているとは言え、水素添加反応のための部屋というのは初めて見ました。また周囲には生物系の研究室が多数あり、PET施設もあるとのこと。さらに、RNAワクチン等の研究部門を増やすために建物を建築中という話も聞きました。一方で、ちょうど学生さんの卒業セレモニーをやっており、賑やかな空気も感じました。次回訪問することがあれば、何か一緒にできないかと考えさせてくれる、素晴らしい研究所でした。

CYCUでの講演は、ACPプログラムで訪問していた韓国のProf. Han-Yong BaeSungkyunkwan University, SKKU)と一緒に行いました(右二枚の写真)。Han-Yongは有機触媒の反応性向上や水中での反応開発を狙っており、考えていることがかなり近いなと感じました。近い内にどこかの学会で再開できる気がします。講演後はGaryと一緒に美味しいご飯等を頂き、ゆっくりと時間をかけて話をさせてもらいました。思い出づくりとしても素晴らしいけど、印象的だったのは会話の内容が日本のアカデミアのよくある話題とかなり共通していたことです。みんな同じようなことで悩んでいるんだなぁ。

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Molecular Transformation Chemistry

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